皆様こんにちは。
ISHIDA表参道の佐野でございます。
世界最大級の時計見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026」が閉幕し、今年も時計業界における新たな潮流が見えてきました。
65ものブランドが一堂に会した今回の展示会では、伝統への深い敬意と、素材開発やムーブメント設計における革新性という、業界が持つ二つの側面が強く印象に残ります。

極薄トゥールビヨンといった高度な技術の追求に加え、一体型ブレスレットの再評価、さらには“時刻表示のみ”という枠の中で極限まで複雑性を高めたユニークピースの登場など、発表された数々の新作は今後のトレンドを占ううえでも非常に見応えのある内容となりました。
本記事では、「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026」で特に印象的だったモデルをいくつかピックアップし、その魅力をご紹介いたします。
◾️Vacheron Constantin

オーヴァーシーズ・オートマティック・ウルトラシン Cal.2550

約7年の歳月をかけて開発された本作は、Vacheron Constantinの技術力と美意識が結晶した一本です。
かつて高い評価を得たキャリバー1120の系譜を受け継ぎつつ、新たに誕生したキャリバー2550はわずか約2.4mmという驚異的な薄さを実現。

マイクロローターやダブルバレルを採用しながら、約80時間のパワーリザーブを確保しています。
プラチナケースにサーモンダイヤルを組み合わせたその姿は、クラシックでありながら現代的。まさにジェントルマンウォッチの理想形と言える仕上がりです。
ヒストリーク・アメリカン 1921

1921年にアメリカ市場向けに誕生したドライバーズウォッチをルーツに持つ、アイコニックなモデル。
クッション型ケースと、45度傾けられたダイヤルという独創的な設計は、ハンドルを握ったままでも視認性を確保するためのもの。
今回の新作では、ピンクゴールドケースに粒感のあるシルバーダイヤルを組み合わせ、クラシックに遊び心を添えた一本に仕上がっています。
オーヴァーシーズ・デュアルタイム “カーディナルポイント”

コレクション誕生30周年を記念して登場した、旅をテーマにしたデュアルタイムモデル。
北・南・東・西を象徴する4色のダイヤルとチタンケースの組み合わせにより、軽量かつ実用性の高い仕上がりとなっています。
自社製キャリバー5110 DT/3を搭載し、第2時間帯表示やAM/PM表示など、実用機能も充実。
ブランドの新たな方向性を感じさせる意欲作です。
◾️Grand Seiko

Spring Drive SBGZ011

Grand Seikoのマスターピースコレクションに加わった本作は、信州・蓼科大滝の情景をダイヤルで表現したモデルです。
手彫りによる繊細なパターンは、水の流れを思わせる美しさ。プラチナケースとザラツ研磨が生み出す光の表情も魅力です。

搭載されるキャリバー9R02は約4mmという薄さを実現しながら、約84時間のパワーリザーブを誇ります。
Spring Drive SLGB006

サンピラー(太陽柱)という幻想的な自然現象から着想を得た限定モデル。
漆黒のダイヤルに散りばめられたゴールドの粒子が、氷晶の輝きを見事に表現しています。
新たにU.F.A.規格を取得したキャリバー9RB2は、年差±20秒という高精度を実現。
美しさと実用性を高次元で融合させた一本です。
◾️H. Moser & Cie
ストリームライナー


H. Moser & Cieが提案する新たなサイズ感。
34mmと28mmというコンパクトなケースながら、自動巻きムーブメントを搭載。
ロゴやインデックスを排したミニマルなデザインに、フロステッド仕上げのダイヤルが静かな個性を添えます。
“分かる人には分かる”ブランド哲学が凝縮されたモデルです。
◾️IWC

ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー “セラルーム”

IWCによる革新的な素材表現が際立つ一本。
セラミックとスーパールミノバを融合させた「セラルーム」により、ケース全体が発光するという前例のない仕様を実現。

昼はモノトーン、夜は鮮烈なブルーへと変化する表情が魅力です。
自社製キャリバー52616は約7日間のパワーリザーブを誇り、複雑機構を安定して駆動します。
■総括|2026年のトレンド
今回の「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026」を通して見えてきたのは、以下の大きな潮流です。
・薄型化と高性能の両立
・自然や現象を表現するダイヤルデザイン
・ミニサイズの再評価
・素材技術の革新
・ヘリテージモデルの現代的再解釈
各ブランドがそれぞれのアプローチで“らしさ”を追求しながら、新たな価値を提示している点が非常に印象的でした。
2026年の時計業界は、伝統と革新がこれまで以上に高い次元で融合していく年になると言えるでしょう。
今後の入荷や実機のご案内にも、ぜひご期待ください。
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記事:佐野
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