レトロなデザインってなんだか落ち着きませんか?
懐かしくって、どこか真新しさもあるような。
見る方の年代によっても受ける印象が違うので面白いです。
当時の技術が現代の技術で蘇る。なんだか素敵です。
こんにちは!
N43°の魚山です!!
さて、今回は『幻のゼニス』を語っていきたいと思います。
と、その前に
このどこか昔懐かしいような時計『リバイバル A384』。
1969年にあったモデルを再現された復刻。
特徴的なケースは勿論、ドーム型風防はサファイアクリスタルで再現するなど
当時のデザインを現代の技術で蘇らせたモデル。
後に発表された 03.A384.400/21.M384 (写真1左上)では当時あった
ラダー(梯子)ブレスレットまで完全復刻。
50年前のモデルで懐かしく思う方、逆に斬新に思う方も居るであろうこのモデル。
でも、今日話したい時計はコレではない!
クロノマスター リバイバル “シャドウ”
97.T384.4061/21.C822
「黒い腕時計」と聞いてどんな物を思い浮かべますか?
ブラックセラミック?
PVD加工の金属?
この“シャドウ”のケースはチタン。
しかもPVDの様な皮膜ではありません。
これはチタン表面にマイクロブラスト加工することで
光の反射を抑え、チタンの鈍色をより深く、濃くしダークグレー色を再現。
ん?再現??
実はこの時計の原形は「プロトタイプ」として1970年に試作されていたのです。
しかし、当時の技術では製品化が出来なく、プロトタイプのみという
まさに幻のモデルとなってしまいました。
現代のゼニスが当時には叶わなかったものを形にしました。
一枚目の写真のモデルと比べて違和感を感じませんか?
そう、“シャドウ”にはデイト表示がない!
ベースなる物は同じなのに何故だ?
実はこの“シャドウ”、機構に至るまでプロトタイプを忠実に再現していたのです。
でも、なぜ今になって復刻させようとしたのでしょうか?
私が前にブログ投稿したシャルル・ベルモ『忘れられていた大切なもの』という題の
アニメーションを見ていただけましたか?
簡単に説明すると内容は当時、クォーツショックと呼ばれる時期、ゼニスは
機械式腕時計の製造に関する金型や設計図などの全てを破棄する事になりました。
しかし、当時の工房長であったシャルル・ベルモはその令に反対し
破棄せず屋根裏に隠したのです。
年月が経ち、再び機械式時計に脚光が当てられた時、金型や設計図の全てが残っていたため
現代にエル・プリメロが蘇るとこが出来ました。というお話でした。
そして今回、エル・プリメロ50周年を迎える際に、再度
例の屋根裏部屋の捜索が行われました。
そして黒のケースに身を包まれた時計が44年ぶりに発見されたのです。
それがオリジナルのプロトタイプ。
現代の技術で44年ぶりに日の目を浴び、製品化に至りました。
単にブラック時計というと今となっては真新しさは感じませんが、
このような経緯がある事を知ると、また物の見方が変わりますね。
現代の「リバイバル」を是非、ご試着してみてください。