肌寒い季節になりました。
北海道は季節の変わり目が特に大きいので
風邪をひかないように気をつけてお過ごしください。
こんにちは。
ISHIDA N43°の魚山です。
今回は時計の修理・オーバーホールについてお話致します。
大切な時計の修理。定期的なオーバーホール。
「早く戻って来て欲しい!」そのように思われた事もあるかと思います。
でも、何故、そこまで納期がかかるの?
そんな疑問を見ていきます。
※画像はイメージです。下記の画像に関係性は一切ございません。
大まかな流れとしては
まず販売店等の窓口にて、症状をお聞かせていただき、お預かり。
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メーカーのテクニカルサービスへ送られ、品番・シリアル・症状を入力
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専門の技術者による分析
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技術者による見解(お見積り)の発行
↓
技術見解(お見積り)をオーナー様へ報告(修理orキャンセル)
ここまで来て初めて修理に取り掛かります。
ムーブメント(内部機械)の修理・オーバーホール
1.ケースからムーブメント(内部機械)の取り出し
2.針・文字盤、カレンダーディスクを外しムーブメントを分解
3.ムーブメントパーツを洗浄
2で分解されたパーツに付着する劣化(油切れ・固着)したオイルや摩耗により発生した金属粉などを専用の溶液で洗浄します。
4.不具合パーツや摩耗したパーツの交換
摩耗によりすり減ってしまったパーツや破損してしまったパーツなど不具合部品を交換
5.各パーツを注油しながらムーブメントの組み立て
新しいオイルを注油し、結合していく
6.脱磁
磁気帯び部品がないか検査と脱磁
7.歩度点検
8.歩度調整
各姿勢差に問題がないか、規格に沿っているか
9.機能点検
各機構はしっかりと機能するか
ケース部分の作業
1.リューズ回り、モデルによりプッシュボタン、ベゼルなど取り外す
2.ケース及びブレスレットのライトポリッシング(メーカーによってはオプション)
3.クリーニング
4.劣化したパッキンやピン類の交換
5.組み立て後、防水検査
6.最終点検
大まかな作業を書くだけでもこれだけの作業があります。
とても繊細で米粒どころかゴマ粒ほどのパーツも多く、それらを分解・洗浄・組み立てをしており、注油の際も複数オイルをパーツごとに使い分け、適正な粘度や分量を注しているのです。
時間を懸け、組み立てたら日差確認。それぞれの姿勢差で測定し、
規格に沿わなければ勿論、再調整。
一言「オーバーホール」と言うのは簡単ですが、これだけの作業工程があり、それぞれの作業毎に技師の方がいて1本の時計に関わっています。
シースルーバックの時計からムーブメントを見た事がある方も多いと思います。
シースルーバックから見えるムーブメントは機械のほんの一部なのです。
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