9月に入り、北海道は肌寒い季節になろうとしております。
札幌ISHIDA N43°は札幌の観光スポットのひとつ「大通公園」の目の前という立地にあり、
その大通公園では『オータムフェスト』といって美味しいもので賑わうお祭りを開催しております。
オータムフェストは今月29日までですので気になっている方はお早めに!
ついでにISHIDA N43°にも寄ってください!!
こんにちはISHIDA N43°の魚山です。
さて、今回の話題はコーティングについてです。
先日、お客様との会話中、ある疑問を投げられました。
それは、DLCについてでした。
(DLC=ダイヤモンド₋ライク₋カーボン:主を炭素水素あるいは炭素同素体からなる硬質非晶質膜の事。
時計等の高級表面処理コーティングや、耐久性を必要とする工業製品にも用いられる高度技術。)
「DLCって要はメッキの強化版みたいな感じですよね?剥がれとかないんですか?」
たしかに、剝がれてしまった際の事は気になるところ…。
万が一、剥がれた際は再コーティングは可能なのか?
そもそも、剥がれるのか?
某カスタマーサービスに聞いてみた。
「DLCの再コーティングは行っておりません。もし、ご希望される場合は部品交換となります。」
なるほど、もし、剝がれた際は希望によりその部分のパーツ交換というわけか。
それはなかなかにお高い費用が掛かりそうだ…。
ちなみに、外装パーツの交換代は都度お見積り対応との事。
しかし、カスタマーサービスの方は続けて教えてくれた。
「ただ、今現在、DLCが剥がれたという修理は受け付けた事はございません。」
今のところ、メーカーでさえ受けたことが無いほど、強固な表面処理ということがわかった。
でも、その先が知りたくないですか⁉
中には「一生もの」として悩みに悩んでご購入を決断される方も多い高級時計です。
「万か一」だなんてとんでもない!!
ということで調べてみました。
ただ、難しい説明ばかりだったので、要約して書きます。
解釈ミスがあったらスミマセン…。
結論からいいますと危惧すべきなのは「剥がれ」ではなく「割れ」です。
DLC(Diamond Like Carbon)は主に炭素を主成分としたナノレベルで形成される高高度の表面処理で、
その硬度はビッカース硬度3,000~6,000Hvであり、ダイヤモンドに匹敵するほどの硬度を持たせることも可能。
硬すぎるが故、割れる可能性があるということ。
ただ、「表面コーティング」ということは勿論、下地となる材質は異なる。
そして、その材質は大抵はDLCよりも柔らかい材質であるということ。
例としてステンレス×DLCの場合ですと
落下などで一部分に大きな衝撃か加わった際は、下地であるステンレスには素材の持つ「粘り」があるため、
衝撃を受けた際は凹んだようなだ打痕
一方、DLCは硬度が硬い分「粘り」がなく、ステンレスの様に柔軟に変形(凹んだり、曲がったり)せずに割れてしまう可能性があるのです。
「割れてしまったら結局、部品交換で高額じゃないか!」や「じゃあ、DLCはオススメしないって事??」など聞こえてきそうなのですが、
私が思うにそこは気にしなくて良いのではないでしょうか。
なぜならば落下などの衝撃の際は、たとえステンレスやチタン、金やプラチナであっても打痕傷になるから。
大抵の打痕傷はポリッシングでは消えきりません。となると、やはり部品交換。
セラミックなどの材質も同様、割れてしまいます。この場合ももちろん部品交換。
結局のところ、素材が何であれ、外装部品や文字盤などの部分は有事の際は最悪部品交換になり得るということです。
それに、数十万~数百万もするような時計を雑に扱う人はいないですよね?
それでも不安なのであれば、保険に加入するなどの選択肢もあります。
このように、DLCだから特別壊れやすいということはないのでは?
というのが私が思った回答です。
ご検討されている方々の参考になれば幸いです。