札幌も気温が高くなり、夏が近くなったことを実感しますね。
こんにちは!
ISHIDA N43°の魚山です。
本日は時計に使われる素材について書いてみたいと思います。
ステンレススチール(以下、SS)については以前にも書きましたが、
今回も実用的かつ日常使いに適した素材「SS」について書きたいと思います。
高級時計と聞いてどの様な時計を想像されますか?
ゴールドやプラチナのキラキラな時計?
それともカーボンを主体とした軽量なものか。
どれもマテリアル(素材)の持つ価値が高いのは勿論ですが、実はそれだけではありません。
例えば、金(ゴールド)を買う場合、同じ重量であっても、インゴットで買うかコインに加工されたもので買うかですと
コインに加工された物の方が高額になる傾向があります。
簡単に言うと、素材の価値+素材の持つ特性を生かしながら加工するのが難しい為、それらの素材が高いのです。
※材質により適切な研磨方法や形成方法などがあり、使われるものや技術も異なり、それらはコストとして反映されます。
ここでは、加工にコストがかかる=加工が難しいという表現をつかっております。
それでは何故、一般的なSSの時計ですら高級時計となるのでしょう?
それは、通常の鉄と比べ、硬度が高いSSもまた高い加工技術が必要なためです。
様々なところでお馴染みのSSですが、細かなグレードに分かれ、ハイグレードになればなるほど加工も難しくなります。
最も身近なところで比較的安価なSS素材ですと、キッチンなどのシンクに使われるSSです。
高級時計に使用されるSSはそれらとは全く別格です。
高級時計に使用されるのは主に316Lや一部ブランドで使われる904LというSSです。
簡単に言えば高級ステンレス!
グレードにより、耐食性などの高さが違いますが、それと比例し、高い加工技術が求めらるようなるのです。
※ちなみに、SSであっても扱い次第では腐食する事はあります。
数百万円もする高級車でさえ錆びてるのを見る事がありますが、なぜ、SSを使わないのか気になったことはありませんか?
それはSSは硬く、プレス成型に向かないため
SSよりも柔らかく加工しやすい鉄を主体としているのです。
そんなSSですが、実は昔、ボディにSSが使われた車が存在したのはご存知でしょうか?
そう、映画「BACK TO THE FUTURE」でお馴染みのDMCデロリアンです。
この車の面白いところはSSそのままのボディなところです。
一見、普通のシルバー色に見えるボディカラーですが、これ、塗装ではなくSSにヘアライン加工されたものだっていうのだから驚きです。
(ちなみにその当時、それを知らずにコンパウンドワックスをしてしまい大変な目に遭った人が何人もいたとか…)
ヘアライン仕上げの車体だなんて時計と同じようですね!
それゆえ、当時の価格としては非常に高額な車体だったようです。
今でもたまに走っているのを見ると、つい二度見しちゃいます。
以上、今回は馴染み深いようで意外と知られていないSSのお話でした。
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